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ほぼアカウントとしては閲覧専用となっているTwitterで、
何年も前から見ている「燃え殻さん」。
その燃え殻さんのエッセイ集が先日発売となりました。


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私が説明するよりも、絶対に見てもらった方がその魅力を感じられると思うので、
ぜひアカウントがある方は検索してみて下さい。
というのも、燃え殻さんってこんな魅力で。というのを書いてみたら
半紙かってくらいペラペラな文章になってしまい、
自分の語彙力のなさに落胆しながらスクショした次第です。
百聞は一見にしかずって言うしね。(慰め)
Twitterではなくても、燃え殻とは、とかでググるとズラりと出てきます。


そんな燃え殻さんのエッセイ集には人生の中でたびたび遭遇する、「ままらないこと」が燃え殻さん調に書かれています。


だいたい、ままならないことばかりです。
思い通りになることの方が少なくて、どこか妥協してどこかに折り合いをつけて、「ままなった風」にひとつひとつを終えていく。
洗濯をした時、洗おうと思っていたものがそこにあった時。しかも洗う前までちゃんと覚えていたのに。とか、
営業中、急いでいるときに限ってゴミがゴミ箱から外れていく。しかも複数回。あんなに入り口の広いものから外れていくのだからセンスのなさに嘆きたくなる。


だけどいいことも、悪いことも、どちらでもなかったことも、私たちはすべて忘れてしまう。
ままならない話なので哀愁ベースではあるけれど、どこかホッとしたりクスッとするような、
優しさと哀しさと切なさとおかしみのマイルドブレンドな感じ。


私たちはすべて忘れてしまうから、
今を大事にしよう!という話でもなく、
ただただ、そうでした。で終わるエッセイ集。


自分も経験したことのあるような、
そして忘れていたことを思い出すような。


私たちは、残したい記憶を選べず、
覚えておきたいことも、忘れたいことも、自分の意識だけではそうできずにいる。
知らぬ間に、自分の都合でフィクションにして上書き保存してしまっていることもあるかもしれない。


以前飲食チェーン店の〇〇を食べてる。美味い。と話してもらった時に、私はそうなんだ!とか言って、具体的には忘れてしまったけれど、とにかく初耳だというような反応したら、相手にこれはもう2度ほど話した内容だと言われてしまった。好きだからまた食べてる。って感じの着地点だった話の腰を折ってしまった。
ほろ苦い気持ちになり、今でもメニューを覚えている。
だけどその後私がどういう風にふるまったかは忘れてしまった。
謝ったのか、おちゃらけたのか、
また、どのようにその話題を終えたのかも忘れてしまった。


一つの出来事でも
だいたいのことを覚えていてもディティールまでは覚えていなかったり、
逆にだいたいのことを覚えていなくても、飲み干したコーヒーとか、Tシャツの色とか、可愛いネイルだったとか、ディティールだけを覚えていたりとか。
それがどんなに大切なものだとしても、私たちは選べない。


そしてそれがなんだと言われても、なんだと返す言葉と術は見当たらない。


前を向こうとか、明日は来るとか、そんな言葉もあるけれど、
実際後ろを向くとか、過去に思いを巡らせることの方が難しく勇気のいることだと思う。
黙っていても時間は過ぎるし明日はくる。
日々忘れていく中で、人、もの、ことが動き、過ぎていく。


そして私もまた、誰かの中で忘れられたり、思い出されたり、
やっぱり忘れられたりして。


床にぺたっと座って、
雨上がりに読むような一冊かな、って思います。格言や名言が刺さる時もあるけれど、波が穏やかな話が欲しい時もあって。1話1ページ半くらいなので読み時もやめ時も悩まないです^ ^



ところで、燃え殻さんの本はこれで2冊目になり、1冊目に小説があります。

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手持ちのものはあいみょんの帯がなくて、
画像で拾ってきました。
ここ、重要ですよね、なんで私のはないんだろう。
捨ててしまったのか、そもそもなかったのか、忘れてしまいました。
違うパターンの帯にはスピードワゴンの小沢やホリエモンも書いてましたよ。ホリエモンがこういう事思うんだ!って意外に思った記憶があります。


これもエモかったなぁ。


普段小説を読まない方でも、読みやすいのではないかな、と思います。
ページ数的にも。
文庫にもなってますよ。


「好きだった人の名前を、SNSで検索したことはありますか?」


エモっ。
って私が言うとまた半紙みたいな印象になってしまうのだけれども。


cakesで連載されていたものが一冊になった恋愛小説です。
普段私が読むのは東野圭吾をメインにミステリーが多いんですが、燃え殻さんが書いたものが気になりすぎて。


とはいえ恋愛小説と括られているものはむしろ全く読まないジャンルなのでどうしようかなぁ、なんて思いながら目次をみたら、1番最初のが「最愛のブスに友達リクエストが送信されました」だったのですぐに買ってしまいました。
刺さった時が買い時。



本はその場から動かずに、地図上のどこでもない近くにも遠くにも連れて行ってくれます。
GOTOがなかなか叶わない時期は、
本で旅をする時間も、良いかもしれません。